センスある日本語を習得できるのではないかという淡い期待を抱いて、この本を手に取りました。
なかなか苦しい思いをして読みましたが、残念ながら力及ばず、センスある日本語を習得することはできなかったように思います。
内容としては、冒頭10ページほどでサブタイトルの「語感とは何か」について解説しているのですが、極めて難解で、ほとんど何も理解できません。著者も、“ただでさえ疲れている現代人の眠けを誘ったかもしれない” と書いているので、ここはもう安心して諦めることにしました。
その後はずっと、150ページ以上に渡って、著者が集めた言葉の小話を続けていくような感じ↓です。
“辛いものが好きで「カレー」をよく食べてきた。このごろは「カレーライス」を食べることが多いが、昔はどこの家庭でも「ライスカレー」を食べたものだ。関西のほうに多いと聞くが、東京でも年寄りの中にはまだ「ライスカレー」と言う人がいる。晩飯の時間に三世代の家族が食堂につどい、爺さん・婆さんが「ライスカレー」を食し、父さん・母さんが「カレーライス」を食べ、坊っちゃん・嬢ちゃんが単に「カレー」を食っている家庭の図を想像してみると、ブレンド家族のようでなんだかおかしい。”
あとがきで “「漫談 語感のはなし」といった調子のささやかなこの本” と著者が表現しているのですが、実際のところ、こっちのタイトルの方が正直だったのではないかと思ってしまいます。
悔しいところですが、「センスある日本語表現」というワードに釣られたんだな、と反省しました。
この本自体は決して悪いものではないのですが、日々進歩する新書のタイトル決定テクニックには注意しないといけないな、と思いました。
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