エスカレーターの片側開けは思いやりの江戸しぐさとされてきた— そ屋 (@soyaee) 2018年12月18日
エスカレーターの片側開けは、古来より、思いやりの江戸しぐさとされてきました。半分うそですが、半分くらいはそうなんじゃないかなと思います。
でも、深い地下鉄の乗り換えとかで、もはや昇る気のしないエスカレーターなんかを見ると、効率悪いし、なんかこう、交互に両側に立つくらいの方法を採っても良いのでは、なんて思います。
最近は、片側開けをやめるように促す運動が始まりつつあるようですが、うまくいきますかね?どうしたら、みんなが納得して歩かなくなるんでしょう。
1.構造的、制度的にエスカレーターを歩けないようにする
2.エスカレーターを歩かなくてもよいと自然と思える構造にする
理想的には2番だと思いますが、それはエスカレーターにちょっとしたイノベーションがないと難しそうなので、現実的には1番の方法で、ルールやマナーとして浸透させることになるんでしょうか。
たまに、エスカレーターは歩くように設計されていない、という言葉を聞きますが、いやいや、実際歩けるし、それじゃあ万人に納得してもらえないでしょう、と思うところもあります。
どうなんでしょう、大人の事情なんじゃないでしょうか。
例えば、建築基準法を受けて定められた建築基準法施行令では、建物に設置する階段とエスカレーターの構造について、いくつか条件を示しています。
おおざっぱに見ると、大きな店舗や、映画館などの施設に設置する階段は、一段の高さ(けあげ)を18cm以下にしなければいけないようです(23条の規定)。駅とかは22cm以下かもしれませんが。
一般的なエスカレーターは、けあげが20-22cmを少し超える位らしいので、階段の条件に合わないものが多いのかもしれません。確かに、ちょっと足を高くあげないとエスカレーターは昇れないので。
また、普段あまり意識していませんが、長い階段の途中には必ず平坦な踊り場があります。
誰かが転げ落ちた時でも大事に至らないよう、高低差3-4m以内ごとに平坦部分をつくるようになっています。
途中に平坦部分があるエスカレーターはかなり珍しいので、この点からすると、エスカレーターは転げ落ちたら危険だから動くな、というルールも合理的に聞こえるかもしれません。
一方、エスカレーターは「昇降機」のカテゴリーで別途細かいことが規定されているので(129条の12)、階段が考慮するべきことを考慮している余裕はないのだと思います。要するに、エスカレーターは階段のような形をしていて階段に見えるけど、階段じゃないんですね。
エスカレーターを階段のように歩く人が増えると、建物の所有者はエスカレーターを設置したはずなのに、実質、違法建築の階段を設置したのと同じになってしまう、なんてことになるのでしょうか。
となると、エスカレーターを設置した人は、利用者におとなしく乗るよう呼びかけ、自身が違法建築を所有しているなんて不名誉を脱したいと考えるかもしれません。
これは大人の事情です。
と、まあ、これはかなり無理矢理なストーリーだとは思いますが、エスカレーターの片側開けは今後どうなっていくんでしょうか。
これがマナーだ、といっても、良くも悪くも世の中は個人主義だと思うので、なかなか浸透させるのは難しいのではないかなと思います。
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