2018年12月14日金曜日

「宇宙飛行士の育て方」を読んだ感想


 結婚生活を初めて1週間が過ぎた頃、思うところあってこの本を買いました。
 ひとつ屋根の下で2人が共同生活を営むのは、ちょっとした極限状態に似ていて、下手をすると宇宙兄弟で読んだ閉鎖環境空間試験のような心理状態になってしまうのではないかと恐れたからでした。
 なので、閉鎖空間ストレスについてもう少し詳しく書いてありそうなこの本を手にとって傾向と対策を練ろうと考えたのですが、それ宇宙兄弟に書いてあったよ、みたいな話や繰り返しの内容が多く、結局最後まで読まずに2年以上放置してしまいました。

 最近ようやく最後まで読んでみたら、後半部分にはアメリカとロシアのチーム協力体制がうまく機能しなかった時代の話や、途中で日本人メンバーが脱落してしまった国際共同研究の長期閉鎖実験の失敗談などが書いてあり、なかなか興味深い情報もあったので、もう少し早めに読んでおいてもよかったなと思いました。

 でも、本のタイトルからして、読者が期待するのは良いチームを構成する優れた能力の「育て方」なんですよね。
 紹介されているエピソードとしては、日本人宇宙飛行士が選抜試験の時に示した抜群の人間力といったものが目立つので、これじゃあ宇宙飛行士の「選び方」だなとも思いました。
 宇宙飛行士に選ばれた人が選抜試験の段階で高い人間力を持っていたことを知りたいのではなくて、どのようにしたら、平凡な一般人が優れたチームを構築するメンバーに成長できるのかを知りたいのです。

 とはいえ、どのような点の優れていることが良いチームメンバーの条件なのか、みたいな情報も少なからず載っているので、そこをヒントに一般人の生活にも応用していけるような気もしました。
 ほとんどは、コミュニケーションを意識的に確保しよう、とか当たり前のことばかりなんですがね。
 その当たり前のことが、できないんですよね。

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