2019年4月19日金曜日

めずらしく政治的なこと

無職になって暇なので、昨日はとある市議選泡沫候補の講演会に行ってきました。
泡沫候補と言っては失礼だけど、講演開始直前でこんな感じだったので、選挙結果については、厳しいところだと思います。


何を期待して行ったかというと、この候補者、なんか興味深い裁判の原告をやっているのです。

簡単に要約しようとすると、
「国分寺市が明らかにマズイ違法行為を働いてパチンコ屋等に4億5千万円を支払ったけれど、そんなところに税金使わないでよ」
という感じです。
https://www.asahi.com/articles/ASM4C6JTRM4CUTIL04P.html

先週、全部勝訴という地裁判決を得たようなので、
「その支払は市の税金じゃなくて、それを執行した当時の市長に請求しなさい」
ということに、今のところはなっています。
https://deiki18650.hateblo.jp/entry/2019/04/11/223820

市民の税金数億円を取り返すことになるので、市民は喜んだらいいと思うけど、この会場の様子からすると、世間の反響はあまりないようです。
悲しいけれど、泡沫候補は何をしても怪しいモノなのです。

以下は、この件に関して個人的な理解をまとめたものです。

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 2006年ころ、国分寺駅前に新しくパチンコ屋ができるという情報があり、多くの人がそれを阻止したいと考えました。
 期待に応えたい市長や議会、その助役たちは、そのパチンコ屋予定地の隣に急いで小さな図書館の分館を設置するという作戦を考え、実行しました。
 図書館の周囲50mにパチンコ屋を開いてはいけないという都の条例があったので、これをパチンコ屋の出店妨害に利用しようとしたのです。

 でも、街に好ましくないお店を営業させたくないからといって、教育的な施設を設置するのは「目的・動機違反」で行政側に勝ち目が無いというのは、個室付浴場業事件というすごく有名な判例が示しているのです。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50195

 ちょっと法律をかじった人なら誰でも思い当たる。
 当時、議員は25人いたようですが、なんと全会一致で図書館設置の条例を採択したそうです。
 議員たるもの、法律業界の基礎知識を知らなかったでは許されないでしょう。

 市長は「これによって旧バザールKへのパチンコ店出店を阻止していきたいと考えております」なんて答弁してるし、こりゃ負けますわ…。
当時の市長の発言 >

 出店を阻止したいとしても、もう少し別なやり方があるでしょうに。
 なんで議会や市長がこんなにもおバカな行動に出てしまったかというのは、勝手に推測するしかないのですが、昨日行った講演の原告さんは、当時の助役S氏が資料を巧妙にコネコネして議会を騙したのではないかと言っていました。
 個人的には、当時の政策部長H氏もかなり暗躍しているような気もしますけどね。
 消えちゃったブログのキャッシュに、「再開発という長年の政策課題を解決するために、やむを得ない公費支出であったと思う」なんて吐露してるし。
< H氏のブログ跡地 >
< H氏のブログキャッシュ >

 でも、たぶんこの2人は普通の公務員なので、直接責任追及するのは難しいのかもしれません。
 その点、特別職の市長や市議はつらいね。
(H氏はその後、市議選や市長選に出て落選しているので、決してこの人の行動が住民の民意という訳ではないとは思うのですが…)

 出店妨害されたパチンコ屋側へは4億5千万円が渡っていて、これはもう動かしようの無い事実です。
 今のところ、これには市の予算から支払われています。市民の税金ですね。
 でも、誰が見ても明らかな違法行為を実行することに、市民の税金を使うのはマズイようにも思います。
 原告さんは市長に請求すべしと訴えて、地裁で勝訴しました。
 まあ、ここが着地点でも良いとは思います。

 しかしながら、(話の流れで結果的にではあるけれど)条例案を提出して全会一致で可決した議会のメンバーにも責任はあるような気もしています。
 ちょっと無理やりかもしれないけど、「議員の立法行為は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらずあえて当該立法を行うというごとき例外的な場合」には違法の評価を受けることになっているようなので…。営業妨害は職業選択の自由を侵害するとかなんとかで、どうですかね。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52654

 まあ、裁判の行く末がどうなるかは素人にはわかりません。
 でもなんとなく、これだけ興味深い活動をしている人物が、ほどんど世間から無視されているというのはどうなんだろうなあ、という気もしています。

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